治療施設と治療法選びのポイント


吃音・どもりに対するイメージは、一昔前よりも随分オープンで身近なものになりました。
2011年には映画「英国王のスピーチ」が上映されアカデミー賞を受賞しました。吃音に悩む英国王ジョージ6世が、自ら症状を克服し国民に愛される真の王になるまでを描いた実話に基づく作品です。


この中で行われている治療法は、決して正しい方法とは言えない部分も多くありました。また、根本的な治療法ではなく、どもり症状をコントロールする方法でした。しかし、ジョージ6世の「何としても国民の前でしゃべりたい」という熱意。それに応えて「何としてもそのスピーチを成功させてあげたい」と、国王を心から支え、お互いの信頼の基に最善を尽くし、最大の努力をして、やり遂げた姿は感動的でした。

「クライアントに寄り添って、一緒に克服していくということが、私たちの思いであり、基本方針でもあるので、この映画に深く感動を覚えました。この映画が絶賛を浴びたことで、これまで以上に一般の人々にも吃音という言葉が認知されたことでしょう。

さて、昨今各家庭にインターネットが普及し、あなたが知りたいと思う吃音や治療方法に関して、自宅に居ながらにして瞬時に情報を手に入れることができるようになりました。しかし、手軽な治療法を安易に選択すると、思わぬ失敗や落胆を招くことがあるかもしれないことを知っておく必要があります。吃音治療はみなさんにとって「気軽に」ではなくて、「真剣に」取り組んでいただきたいものだと思っております。以下の事項をよく読んで治療施設と治療法選びにどうぞお役立てください。

  治療施設と治療法選び

吃音治療で大事なことは、治療機関と治療法の選び方だといえます。これを、「費用が安い」「返金システムがある」「手軽に始められそう」「短期間で治りそう」「方法が簡単そう」などという理由で、安易に決めることは注意が必要です。

実は、ほとんどの吃音者は自分の吃音がネットなどの広告でうたっているように、「簡単に」「安い費用で」「短期間で」「文章を読んだだけで」等で、治るはずがないとわかっているのです。それなのに、何故そんなうたい文句に騙されるのでしょう。それは、他の人にはだめでも、もしかしたら自分にはちょっとした効果があるかもしれないと、小さな期待をかけているからでしょう。また、治らなかった時に、大きなショックを受けたくないので、安い費用のところを選んでしまうのでしょう。多くの吃音者は、このように切実な思いであれこれ治療機関を探しては試してみているのが現状だと言えます。

したがって、じっくり情報を収集し、治療機関や治療法を比較検討し、治療技術だけでなく心理的な面でも自分が納得できる治療機関や治療法を選ぶことが大切です。

機関によっては宣伝、広告に力を入れているところもあります。インターネットで上位に掲載されていると、それだけで知名度が高いように思って安心材料にしてしまうこともあります。しかし、今は宣伝広告費をかけさえすればいくらでも上位掲載が可能だという事実も知っておくとよいでしょう。今では、上位掲載を請け負う専門の業者も数多くいるくらいです。あくまでも、できるだけ冷静な目で情報を収集し、比較・検討した上で判断しましょう。

  治療施設と治療法選び

実際に治療機関や治療方法を体験したことのある人から紹介してもらえることが一番良いでしょう。ただ吃音の方は、自分が吃音者であることや、悩んでいることを隠すので、治療を受けた方を見つけるのは非常に難しいですね。そうなるとやはり自分で探すしかありません。

まずホームページや電話帳などで、良さそうなところを絞っていきます。ここに書かれている内容も、宣伝のためのものが誇大に掲載されている恐れもありますから、すべてを鵜呑みにはできません。

そこで、電話をかけて対応を確認したり、メールで質問した時の対応も観察しましょう。電話やメールなどの応対が満足できる治療機関が見つかったら、そこへ出向いて実際にカウンセリングを受けてみることです。指導者の人柄や実績を自分の目で耳で確認することができますし、治療機関の雰囲気も観察することができるので尚良いでしょう。

  良い治療機関と治療法とは

まずクライアントの話にしっかり耳を傾けてくれること。そしてクライアントの望む方向に向って最善のサポートをしようとする姿勢が見られること。よい指導者の条件として、誠実さや包容力などの人間性が求められることは言うまでもありません。それに加えて、指導経験の豊富さや専門的な高い指導技術力があげられます。

良い指導者のいる機関は、訪れるクライアントも多いので、指導者も複数いたり、受付などの対応やそこに勤務するスタッフの応対に関してもしっかりした体制が整っていることが多いものです。

最初の問い合わせの電話応対やメールでのやり取りも参考になります。できる限り、客観的な判断の上で、自分の満足のいく対応が獲られた機関を選ぶようにしましょう。

  口コミサイトと広告について

インターネット上には、会社や商品やサービスなどに対するクチコミサイトやランキングサイトが数多くあります。それらをチェックすれば参考になることや役立つこともあるでしょう。しかしこれらの情報もうのみにはできません。

クチコミの中には関係者が自分のところを褒めている内容もあるといいます。しかも、評判を上げるための専門業者もいるようです。当然ながら自分のところに不利になるような意見や感想は載せません。

では、クチコミサイトに載っている批判的、非好意的な意見は信憑性があり、信頼できるかというと、単純にそうとも言えません。批判的、中傷的な意見の中には、治療に不満だった人の感情的な書き込みも多くあり、自分の思い通りにならなかった悔しさをクチコミサイトで晴らそうという内容も見られるのです。

初めてクチコミを読まれた方は少なからず衝撃や不愉快な思いをされて、その機関を選択リストから外してしまうかもしれません。そうなれば投稿者の思う壺ということになります。こうしたたちの悪い業者がいることは残念なことですが、治療機関とクライアントの間の意思の疎通が十分はかれていなかったことに原因があるのかもしれません。したがって感情的な中にもいくらかの真実はあるのかもしれません。

けれども、あまりに非現実的で客観性のない意見を参考にして、治療機関を選ぶことは避けたほうがよいでしょう。もちろん大いに役立つクチコミもありますので、そのあたりを見極めるだけの観察眼を持ちたいものです。

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